2024/04/15
前処理について その②
先日、硬質クロムめっきにおける前処理についてお話しました。
前処理工程はめっきをする上で、最重要工程と言っても過言ではありません。
その理由として
めっきの付着を良くするため。
これが前処理を行う最大の理由で、この処理によってめっきの良し悪しが決まります。
本日はこの、前処理方法についてお話していきます。
①脱脂
弊社に届いた製品にめっき処理をする上で、最初に製品についた汚れや油脂、また金属粒などを除去します。
この汚れや油脂の除去がされていない、または不十分であるとめっきの密着不良となります。
結果的に、
めっき箇所がふくれてしまう。または、はがれてしまう現象。
金属粒などがめっき被膜表面に残ってしまう現象。
そもそもめっきがつかない。
といった不具合が起こります。
弊社では加温した苛性ソーダ水溶液に浸漬し脱脂処理を行い、金属の表面を綺麗にしていきます。
例えるなら、朝起きて顔を石鹸で洗う事で、寝ている間の皮脂や汗、見えないほこりを洗い流すことで、
肌を清潔に保ち健やかな美肌を保つ事が出来るようです。
実際、洗顔をせず、肌に汚れがたまった状態で化粧をすると結果として、化粧ノリが悪くなったり、
下地やファンデーションが浮いたり割れたりするみたいです。
洗顔と前処理は案外同じような意味合いがあるのですね。
その他にも、不働態被膜(酸化膜)を除去するために塩酸や硫酸に浸漬させる酸活性(酸浸漬)
などで、表面を整えていきます。
今回は主に脱脂と酸活性(酸浸漬)のお話をしましたが、次回はエッチング(陽極処理)に
ついてお話したいと思います。
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