クロムめっきと硬質クロムめっきの大きな違いは用途です。
クロムめっきは、ニッケルクロムめっきとも呼ばれ、一般的には素材下地に銅やニッケルを付けた後に極薄いクロムめっき(1μ以下)を施すめっき処理でパイプ椅子や自動車用バンパー等に使用されており、装飾めっきと呼ばれたりします。
薄いめっき処理による光沢感のある仕上がりは主に美観を持たせる製品に適しています。
硬質クロムめっきは、直接素材にクロムめっき(1μ以上)の被膜を生成する処理となり、金属クロムの硬さと滑りの良さを利用してシリンダー他、金型・ロール等の摺動部や可動部の部品に多く採用されています。
硬質クロムめっきは、耐摩耗を目的として使用する事が多く一定の膜厚を多く付けたり、一部分のみに処理をするために、処理時間が掛ったり、処理のノウハウが必須となるのでコストは高価な処理になります。
厚いめっき処理を施すことにより、硬度と耐摩耗性に優れていることから機械部品や金型など工業製品に適しています。